2013年7月14日 十勝岳(2,077m)美瑛岳(2,052m)

6時20分頃、望岳台の駐車場に着くが、車で一杯。駐車場手前の空き地に止める。その間にも次から次へと車が来る。たくさんの登山者で賑わいそうだ。
準備中、末さんが鈴を付けた方が良いか聞いてくる。熊もいないことはないし、人に対しても自分の位置を知らせれるので付けた方が良いと答えた。

6時50分、記帳。天気も良く、この場所では風も無かった。
 
 

まずは避難小屋を目指す。今日は長丁場だからとゆっくり歩く。たくさんの登山者が先行くのが見える。

末さんは、夕張岳に行きたっがっていたが、登山道が通行止めで、登山口まで車で行けないようなので諦めた様子だ。

 
 

望岳台からの登山は初めてで、目にするもの全てが素晴らしく感じる。右手に見える、富良野岳の緑が目に焼きつく。
徐々に、登山道の傾斜がきつくなり、避難小屋に着く頃には汗びっしょりになっていた。街場では、今日も気温が上がるのだろう。

7時57分、避難小屋に到着。先に進んでいた末さんが休んでいる。
 

避難小屋周辺から来た道を振り返る。駐車場が小さく見える。
嬉しくてここに来るまでの間も随分写真を撮った。この後もたくさん写真を撮った。どうしょう・・。
 
 

8時3分、登り再開。ここから、いよいよ十勝岳に取り付いた感じがする。

すぐ、左手の尾根に向かい、そのまま進む。
 
 


岩ゴロゴロのところを歩いたり、火山礫の砂場を歩いたりする。
右手の、雪渓を登りきるツワモノもいる。
避難小屋過ぎると、少し風が出てきた。冷たくて気持ちが良く感じる。

 
 

9時17分、尾根登りが終わって、広場に着く。目の前には美瑛岳が見える。素晴らしい。
風が少し出てきて、寒く感じる。上に一枚羽織る.。

 
 

一度、十勝岳から美瑛岳へ行ってみたいと思っていた。夕張岳に行けなくなったことと、カントリーマンさんのHPを見て、再びその気になった。
十勝岳から美瑛岳に続く、銃走路がなにより楽しみだった。


 
 

登山道の先を見ると、十勝岳の頂上が見える。気持ちの良さそうな登山道が続く。

美瑛岳の反対を見ると、富良野方面の街や畑が良く見えた。

しばらく休み、出発。
 

どんどん近づいていく。残雪で遊んでいる人もいた。
あまりにも沢山の人が行き交い、色々な感じの人たちがいたので、挨拶を交わしたり、交わさなかったりで、こういう山登りもあるのだなと思った。


 
 

頂上までの、最後の難関。見ただけで、うんざりする急登。
すぐ登りきれるとは思うが、気持ちが萎える。

 
 

一つ目の急登が終わり、一息つく。富良野岳が素晴らしかった。綺麗な緑の濃淡が深さを感じさせる。

先の急登で、末さんが体調不良を訴えてきた。少し休んでから行くので、先に行っていて欲しいという。
美瑛岳も難しいと言う。

 
 

頂上が目前に見える。
分岐点から、十勝岳温泉の方からもたくさん登って来るのが見える。

美瑛岳に行けないのは、少し残念な気がしたが、止むを得ないと思った。また今度来れば良い。今朝、末さんは仕事柄、3時間ほどしか寝ていないはずだ。体調が良いはずがない。

 
 

10時36分、末さんより一足早く頂上に到着。風がある。
頂上は、人であふれていた。

末さんが来るまで、休む場所を探す。
ちょっと、下がったところでは風が無く、暖かった。


 
 

美瑛岳とそこへ続く登山道を未練がましく眺めた。
ポットの冷えたコーヒーでパンをかじる。
ふと、富良野岳方向を見ると、空に虹が見えた。
ツイテいるなぁと思った。
きっと末さんは気づいていないはずだ。

 
 

なかなか、末さんが来ない。不安になって、ケイタイをリュックから取り出し、見るが連絡が入っていない。どうしたものかと思っていたら、眼下から聞き慣れた鈴の音が聞こえる。その方向を見ると、見慣れた姿がある。もしやと思い、電話をするが、つながらない。
 
 

聞こえるかどうか分からなかったけど、声を掛けてみた。
「末さん、行くのぉー!」
末さん:○のポーズ。
「今行くよぉー」

自分も末さんの行動にビックリしたが、隣のグループも自分とは違う意味で、ビックリしていた。

 
 

10時58分、美瑛岳に向け出発。
下で待っていた、末さんに追いつき、事情を聞くと、頂上でバッと探したが、自分と似たチェックのシャツ姿が多く分からなかったのと、頂上で休まず、美瑛岳にすぐ向かう、というのがかっこ良く感じたらしい。
ともあれ、体調は良くなったようだ。

 
 

来る人、来る人、皆が皆、良い所だとHPで書いてあるので、とにかく楽しみにしていた。

始めは、広い惑星的な雰囲気からスタート。いい所という意味が分かる。そんなに興味が無かった様子の末さんも、しきりに来て良かったと言っている。

 
 

ただ、風が強く、寒かった。リック横のポケットに刺してある水を飲むと冷たかった。

寒いと言っても、汗をかきながら歩いているので、嫌な感じの寒さではなかった。
返って、自分達の力不足を補ってくれているようだ。これで暑かったらどうなっていたやら。

 
 

火山礫の細かい砂で、ふかふかした感じのところもあった。
下りだから良いものの、登りは大変だろうなと思った。



 
 

今度いつ来ることができるか分からないのと、見慣れない景色が楽しくて写真も撮りまくった。
が、後で見てみると、何に感動して撮った写真か分からないものが多い。

 
 

美瑛岳に近づくにつれ、稜線上の感じも変わってくる。
花の数も増えてくる。
それにしても、美瑛岳はまだまだ遠い。



 
 

メアカンキンバイやイワブクロが目に付くようになる。美瑛岳に近づくにつれ、数は多くなり、大きな株も目にした
 
 

末さんが写真を撮れと。
アヒルが恐竜になっていた。

何件かのHPを参考に、今日の計画を実行したのだが、思っていた以上に辛い。自分達の力不足を感じるし、皆さんは本当に凄いと思う。

 
 

場所にもよるが、風が強くなってきた。
涼しいというより寒く感じる。
鼻水も止まらない。

 
 

イワヒゲ、イワウメ、エゾツガザクラが随所に見られるようになってきた。エジツガザクラの花は少しくたびれているようだ。
それにかえて、イワブクロは、生き生きとした花を咲かせていた。
美瑛岳に向かう途中は、イワブクロの群生がたくさん見ることができた。
一面真っ白に思えるところもあり、素晴らしかった。
 
 

風が強い。左手の谷底からは、ゴウゴウ風の音がする。


 
 

12時31分、お花畑に到着。
先に進んでいた、末さんが待ち構えていた。


一面、花だらけだった。
いつまでも眺めていたい。そう思う場所だった。




盛りのチングルマの白っぽいのや黄色が強いのと終わりかけのエゾツガザクラが赤く見える。
緑や白や茶色。
自然の作る美そのものだ。

 
 

末さんは、花畑から美瑛岳の頂上まで直ぐそこと思っていたようだが、随分距離があったように感じた。
エゾコザクラの可憐な姿も目にするようになる。


 
 

美瑛岳の外環をトラバース気味にぐるりと歩いた後、稜線に出るため登ると、美瑛岳の頂上が見えた。
遠くからも賑わっている様子が見える。


 
 

最後にひと登りして、13時20分、無事到着。
正直、やっと着いたと思った。
ここも風が強く、肌寒い。

 
 

風が強かったので、頂上から少し降りたところで休むことにした。二人とも疲れているのでゆっくり休みたかったがそうもいかなかった。
 
 

美瑛富士とオプタテシケ山。
オプタテシケ山は、末さんが是非訪れてみたいと言っている山だ。
避難小屋泊まりと思っているようだが、大きな寝袋しか持っていないので、今は同行を断っている。
続く登山道を見ながら、末さんはボソボソ何か言っている。


 
 

休んでいるとき、末さんが望岳台から来た男性にポンピ沢のことを聞いた。
「んー。通れるけどね。でもあれだネ、誰か落ちるね。ロシアンルーレットみたいなものだね」と回答。

まわりにいた人たちもソワソワと下山準備。気持ちが悪いので、僕らも出発。もう少し休みたかった。
 
 

13時46分、下山開始。
急な下りが続く。望岳台から来るとなると辛そうだ。

望岳台まで3時間ちょっと、と思っていたが、今までの調子を見ると諦めた。

 
 

振り返る。
今思うと、この辺まではまだ余裕があった気がする。
末さんも来て良かったと何度か言っていた。
ただ、十勝岳は、望岳台から登るのはもう嫌なのだそうだ。


 
 

ぐんぐん降りていく。やがてハエマツ帯や低木帯を通る。登山道に沿ってエゾイソツツジが咲いていた。

やがて、左手の斜面に、帰り道が見える。
そして、沢に向け、長い長い下り。時折、切ってある枝に頭をぶつけたりする。
いつまで、下るのかと思ってしまう。

 
 

15時15分、ポンピ沢に到着。
見ると、踏み跡先の雪が崩れ、沢の流れが見える。

先行く登山者が、上流から回ってと、教えてくれる。

渡りきると休んだ。休んでいると、下山してきた2組の男性がどうしたものかと迷っていた。同じく上流を回るよう教えた。
 
 

残雪を何度か渡り進む。
登りがそうキツクなく助かる。



 
 

登山道の方向が変わる地点に来たとき、末さんが、その先を見つめ、「まだまだ、だわー」と力なく言った。
なんとなく可笑しかった。

やがて、右手に駐車場が見えてきた。そして、望岳台へと続く道も見えてきた。でも、遠く見えている。

 
 

16時40分、いよいよ望岳台から続く道との合流点が解ってきた。
左手後方には、避難小屋も見える。
なんとか帰れるなと実感する。
17時までに着けばいいや、が、18時まで着けば良しに変わっていた。

駐車場まであと1キロという所でも休んだ。

 
 
駐車場まであと2キロもないところで、膝を痛めた男性がいた。仲間の男性2人が、明るく冗談を言いながら、怪我した男性を補助し、休み休み下っていた。怪我した方も補助する方も、互いに気遣う様子がわかり、仲間って良いなと思った。時間はかかったと思うが無事帰ったことと思う。
17時47分、記帳。
振り返って写真を撮る。十勝岳方面の空は、黒い雲に覆われかけていた。長く、辛く、素敵な一日が終わった。
 
 
それぞれコーラを買い、一休み。末さんがスイカを買いたいと、富良野のロードサイド直営店で購入。
車中、やはり反省会は必要と、なる。
21時近くに帰町したので、シャワーも浴びず、そのままの格好で末さんのところへ寄る。
汗臭いまま、長く、辛く、素敵な一日は、日が変わるまで続いた。
(写真は、駐車した場所から朝に撮ったもの)
 
 
筋肉痛はないが、両膝に違和感あり。ベランダを開け、庭を見ていると、涼しい風が吹き山頂にいる気がした。  7月15日 もう少し休みたい管理人
 
ヨロヨロ山岳倶楽部
 
 

 
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